炭でご飯を炊く、と聞いて「三菱」と応える人はごはんにちょっとうるさい人かもしれない。三菱電機の「炭炊釜」シリーズはその名の通り、内釜に99.9%炭素の「本炭釜」を採用する炊飯器だ。「本炭釜 NJ-VW10J」は本炭釜を採用したセカンドラインだ。2026年モデルでは銘柄炊き分けが前モデルの10銘柄から30銘柄へと大幅に拡充され、フラグシップモデルに近づいている。

99.9%炭素の「本炭釜」はフラッグシップと共通
炭炊釜シリーズの最大の特徴は「本炭釜」だ。純度99.9%の炭素で作られた内釜で、炭ならではの遠赤外線効果と高い蓄熱性でお米を均一に加熱し、芯まで熱を通すことができる。さらに8段階IHヒーターによる連続沸騰炊きがかまど炊きのような激しい対流を再現し、ふっくらとした粒感と甘みを引き出す仕組みだ。この本炭釜は上位モデルとフラッグシップで共通。素材に妥協がない点は評価できる。

あきたこまち、ゆめぴりかで試した
銘柄芳潤炊きと匠芳潤炊き(ふつう)を試した。炊き上がりで印象に残るのは粒立ちの良さだ。固いわけではなく、適度な甘みも感じられてバランス感がいい。主張が強すぎず、幅広いおかずに合わせやすい炊き上がりで、毎日食べるご飯として完成度が高い。

新機能は銘柄炊き分けと低温調理の機能拡充
2026年モデル最大の進化点が銘柄炊き分けの強化だ。前モデルの10銘柄から30銘柄へと一気に広がり、より多くの産地・品種に最適な炊き方を自動で選択できる。

低温調理機能にも進化がある。従来の65〜85℃に加えて、57℃と62℃の設定が新たに追加された。低温帯の細かいコントロールが可能になり、サラダチキンにとどまらない多彩な調理への応用が広がる。炊飯器の枠を超えた使い方を期待したいところだ。
主なスペックは、炊飯容量0.5〜5.5合、消費電力1,380W、本体サイズ237×293×227mm(幅×奥行×高さ)、重量約5.1kg。カラーは白絹(しろきぬ)と炭漆黒(すみしっこく)の2色だ。
本炭釜の炊き上がりと30銘柄炊き分けを8万円以下(8月末時点)で実現した点は素直に魅力的だ。ただ、悩ましいのが2025年モデルのフラッグシップ「NJ-BW10H」が5万円台から購入できる状況にあること。旧モデルが選べる間は、本機をあえて選ぶ理由を探しにくい。新たに加わった低温調理の57℃・62℃設定を積極的に活用したい人に向く一台だ。
総合評価:76.4点
炊き上がり:3.8
保温:4.0
使い勝手:3.8
機能:4.0
サイズ・デザイン:3.5
