スピーカーを内蔵して振動する畳『TTM-V20』が新しい畳の可能性を切り開く!

八代産畳表認知向上・需要拡大推進協議会から ちょっと面白い製品が発表されました。 それが、鼓動する新たたみプロダクト『TTM-V20』。

絶滅危機にある国産畳の新たな可能性をオープンイノベーションで拓く、熊本・八代発「YATSUSHIRO TATAMI X」のプロジェクト第1弾です。

熊本県はい草の栽培面積で全国99%を占め、さらに畳表の生産量も99%以上を誇る日本一のい草・畳表の産地。このため様々な、これまでも様々な八代畳の認知拡大の取り組みを行ってきたそう。 『TTM-V20』 もそのひとつです。

『TTM-V20』は 様々な畳の可能性を探るなかで 日本音響研究所とコラボすることで誕生した 振動する畳。 畳の芯材の中に振動スピーカーを6つ搭載。音楽に合わせて音と振動を発生させることができます。

プロダクト名の由来は「TTM」が畳(TATAMI)の略称、さらに「vibrate(振動する)」の頭文字「V」、そして人間が音として感じることができる最低周波数であり、振動と音の境界線を意味の20Hzから「20」。

実際に『TTM-V20』の上に寝て見ました。

畳に体を預けてみると想像より強い振動で体が包まれます。 スピーカー自体は芯材の中なので、音がこもるかと思いきや、そんなことはほとんどなく低音による振動と心地よい中高音が楽しめました。 さらに中高音をカットすることで低音と振動だけを鳴らすこともできるそうです。

『TTM-V20』を監修した日本音響研究所 鈴木 創所長は次のようにコメントしています。

「畳を振動させるというアイデアに最初は驚きましたが、『日本の伝統的な畳は、音を伝えるデバイスとしてどんな可能性があるのだろうか』とワクワク感で一杯になりました。

『TTM-V20』は、スピーカーのように空気を振動させるのではなく、畳の振動を身体で感じることができる点、しかも生活の中のいろいろな体勢やシーンが考えられるところに魅力があると思います。畳ならではの「ごろ寝文化」や「床座文化」と、振動を伝える機能が思いがけずマッチしています。

開発にあたっては、畳とスピーカーの周波数特性などの相性や、その設置方法によって振動が上手く伝えられないこともあり、試行錯誤を繰り返しました。そしてその結果、特に「低周波による振動」を上手く伝えることができるデバイスが完成しました。小さいスピーカーでは得られない迫力や、耳障りな高い周波数の音を気にせずにリラックスすることが期待できます。

通常、人間は空気の振動を鼓膜で捉えて音を感じていますが、『TTM-V20』では畳と接触した身体の部位から音の振動を感じ取ることが出来ます。部位によって感じやすい周波数が異なることなどから、その目的に合った音源を作ることで様々な活用可能性を秘めています。

休憩所などでのリラックスするシーンだけで無く、イヤホンと連動させることによって、迫力のある音楽や映像作品の鑑賞にも対応可能です。複数枚を敷き詰める、畳らしい使い方をすることで、音楽イベントも全身で体感できるものになります」

現在はまだ太いケーブルが畳につながっていますが、実際の導入に向けてこのあたりの改修はすすめて行くとのこと。一緒に商品・サービス開発を進めていくメーカーも募集していくとのこと。

八代産畳表認知向上・需要拡大推進協議会によると、温泉施設やクラブやフェスなどでの利用を想定。第1弾として、ポップアップ銭湯「ひらく湯」とコラボレーションし、5月27日(金)~29日(日)に愛知県蒲郡市で開催される人気フェスイベント「森、道、市場2022」への出展が決定しています。音と振動に包まれながら 足湯を楽しむことができるそうです。

くまモンも気持ち良さそうでした。

編集協力:八代産畳表認知向上 需要拡大推進協議会

この記事を書いた人

コヤマタカヒロ

1973年生まれのデジタル&家電ライター。大学在学中にストリートカルチャー誌「Boon」でライターデビュー。その後、PCやデジタルガジェット、白物家電を専門分野として執筆活動を展開。寄稿先はモノ雑誌から、ガジェット系Webサイト、家電ニュースサイト、ビジネス系メディアまで、多岐にわたる。執筆以外にアドバイザーなども行う。家電コミュニティ「家電総合研究所」を主催。調理家電のテストと撮影のための空間「家電スタジオ・コヤマキッチン」を用意。米・食味鑑定士の資格を所有。